童子問
―江戸前期の儒書―
江戸前期の儒書。三巻。
伊藤仁斎著。宝永四年(1707)刊。
『論語』と『孟子』をもっとも重要視し、儒学やその研究法ないしは道徳や政治について師弟の問答形式で叙述している。
蓋知り難く行ひ難く高遠及ぶべからざるの説は、乃異端邪説にして、知り易く行ひ易く平正親切なる者は、便是堯舜の道にして、孔子立教の本原、論語の宗旨なり。(巻の上・第五章)
人の外に道無く、道の外に人無し。人を以て人の道を行ふ、何んの知り難く行ひ難きことか之れ有らん。(巻の上・第八章)
富貴爵祿は、皆人事の無んばあるべからざる所の者、只當に禮義を辨ずべし。(巻の上・第二十三章)
故に口言ふべくして、身行ふべからざる者は、君子は道はず。(巻の中・第五章)
問、「書を讀むには何を以て要と爲る」。曰、「識見を要と爲。書を讀で識見無きは、猶讀まざるがごとし。(巻の下・第三十四章)
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- 伊藤仁斎(ウィキペディア)