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文明ぶんめい生態史観せいたいしかん
―梅棹忠夫の斬新な比較文明論―

文明の生態史観
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梅棹うめさお忠夫ただお(1920~2010)著。昭和32年(1957)『中央公論』2月号に発表。

従来の東洋と西洋という見方に対し、新しい世界史モデルを提示している。日本と西欧諸国を「第一地域」とし、それ以外を「第二地域」とよんでいる。

生態学的史観をもちいての比較文明論であり、当時たいへんな反響をよんだ。

 しかしながら、実際問題として、旧世界においてこういう状態の実現に成功した国は、その体制がどのようなものであれ、まだ、ごくすくないのである。

部分的には、これにちかい状態にある地域もあるが、国全体として高度の文明国になったのは、日本と、その反対側の端にある西ヨーロッパの数ヵ国とだけである。

あとは、中国も、東南アジアも、インドも、ロシアも、イスラム諸国も、東欧も、まだ格段の差がある。

 ここでわたしは、問題の旧世界を、バッサリ二つの地域にわけよう。それぞれを、第一地域、第二地域と名づけよう。

旧世界を横長の長円にたとえると、第一地域は、その、東の端と西の端に、ちょっぴりくっついている。とくに、東の部分はちいさいようだ。第二地域は、長円の、あとのすべての部分をしめる。

第一地域の特徴は、その生活様式が高度の近代文明であることであり、第二地域の特徴は、そうでないことである。