草木塔
―山頭火が晩年に自選した一代句集―
種田山頭火(1882~1940)の自選句集。
昭和15年(1940)4月28日、東京の八雲書林より刊行。
第一句集から第七句集(『鉢の子』『草木塔』『山行水行』『雑草風景』『柿の葉』『孤寒』『鴉』)までを集成した一代句集。
独特の自由律俳句による名作である。
分け入つても分け入つても青い山
炎天をいただいて乞ひ歩く
鴉啼いてわたしも一人
生死の中の雪ふりしきる
木の葉散る歩きつめる
まつすぐな道でさみしい
雨ふるふるさとははだしであるく
春風の鉢の子一つ
月も水底に旅空がある
うしろすがたのしぐれてゆくか
鉄鉢の中へも霰
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
だまつて今日の草鞋穿く
風の明暗をたどる
さて、どちらへ行かう風がふく
何を求める風の中ゆく
ちんぽこもおそそも湧いてあふれる湯
うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする
すべつてころんで山がひつそり
いさましくもかなしくも白い函
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関連リンク
- 種田山頭火(ウィキペディア)
- 作家別作品リスト:種田山頭火(青空文庫)