ルバイヤート
―11世紀ペルシャの四行詩集―
「ルバイヤート」とはペルシア語の四行詩集のこと。
「ルバーイー」(四行詩)の複数形。
代表的詩人としてオマル・ハイヤームが名高い。
人生の無常、宿命、酒の賛美などが基調となっている。
19世紀のイギリス詩人フィッツジェラルドの名訳が刊行されて以来、世界中に名声が高まり、日本語を含め世界の主要な言語に翻訳された。
一壺の紅の酒、一巻の歌さえあれば、
それにただ命をつなぐ糧さえあれば、
君とともにたとえ荒屋に住まおうとも、
心は王侯の栄華にまさるたのしさ!(98)
おれは有と無の現象を知った。
またかぎりない変転の本質を知った。
しかもそのさかしさのすべてをさげすむ、
酔いの彼方にはそれ以上の境地があった。(99)
酒姫の心づくしでとりとめたおれの命、
今はむなしく創世の論議も解けず、
昨夜の酒も余すところわずかに一杯、
さてあとはいつまでつづく? おれの命!(100)
酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、
また青春の唯一の効果だ。
花と酒、君も浮かれる春の季節に、
たのしめ一瞬を、それこそ真の人生だ!(133)
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