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せいろく
―マルクス・アウレリウスの人生論―

マルクス・アウレリウス(121~180)著。

著者はローマ皇帝でストア派の哲学者。
本書は静かな瞑想のもとに覚書き風に記されたもの。

本書は古来、数多くの人々を励ましてきた書といわれている。

あらゆる出来事はあたかも春の薔薇、夏の果実のごとく日常茶飯事であり、なじみ深いことなのだ。同様のことが病や死や讒謗や陰謀やすべて愚か者を喜ばせたり悲しませたりする事柄についてもいえる。(第四章44)

ただつぎの一事に楽しみとやすらいとを見出せ。それはつねに神を思いつつ公益的な行為から公益的な行為へと移り行くことである。(第六章7)

名誉を愛する者は自分の幸福は他人の行為の中にあると思い、享楽を愛する者は自分の感情の中にあると思うが、もののわかった人間は自分の行動の中にあると思うのである。 (第六章51)

人間にふさわしい態度は、死にたいして無関心であるのでもなく、烈しい気持をいだくのでもなく、侮辱するのでもなく、自然の働きの一つとしてこれを待つことである。(第九章3)