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ハズリット箴言集しんげんしゅう
―イギリス最大のエッセイストによる箴言集―

イギリス・ロマン主義時代の批評家・エッセイスト、ウィリアム・ハズリット(1778~1830)の箴言集。
1825年ロンドンで匿名にて出版。

原題は Characteristics: In the Manner of Rochefoucault’s Maxims (『人の特性――ロシュフコー風に』)であり、本書の執筆動機について「この箴言はラ・ロシュフコーの『箴言と省察』に促されて書いたものである」と序文で言っている。

理解の仕方について「鋭い」、「深い」の二種類がある。この違いは次のように言えばよいであろう。
「鋭さとは、事物の核心を摑むことであり、深さとは真実の空気を感じ取ることである。」

「願えば本当らしく思えてくる」ことがしばしばある。しかし本当らしく思えてくるのは願い事ばかりではない。恐れていることについても同様である。

禁じられてはじめて我々の食指が動くというような物事が沢山ある。

人が話す中身のほとんどは自分のことばかりだ。

我々は自分の欠点を容易に美徳に変えながら、他人の美徳を欠点に変える。

我々の最大関心事が我々自身にあるからといって、他人も同じくらい強烈に我々に関心を持っていると思ったら大間違いである。その逆だと思った方がよい。

我々は同じ一人の人間を憎みもすれば愛しもするだろう。いや、それも同時に。